本記事ではオーストラリアとニュージーランドでのみ見られるとても貴重な昆虫“土ボタル”について紹介します。
この昆虫が放つ光はかなり幻想的です。初めて見た時は圧倒されてしまい、声が出せないほどでした。土ボタルの光がまるで星のようで、宇宙に浮かんでいるような感覚さえ感じます。この景色を昆虫が作り出しているのかと考えれば考える程感動しました。一説には、あの「飛行石」のモデルになったとも言われています。
土ボタルとは?
土ボタルという名前と、その光を放つ様から蛍を想像してしまいますが、実際は「ヒカリキノコバエ」また、英名で「glow warm」と呼ばれるハエの仲間です。この幼虫がエメラルドグリーンの美しい光を放つため、土ボタルとして知られています。
生息地域

土ボタルは、オーストラリアとニュージーランドの限られた地域にのみ生息しています。
オーストラリアで土ボタルを見ることができるのは、ゴールドコースト近郊ならスプリングブルック国立公園、ラミントン国立公園、タンボリンマウンテン。ケアンズ近郊ならアサートン高原とチナルー湖付近で観測可能です。
ニュージーランドであれば、北島のワイトモ鍾乳洞、南島のフィヨルドランド国立公園で見ることができます。
生態

ヒカリキノコバエの幼虫は洞窟や洞穴の壁や天井に生息しています。餌となる虫をおびき寄せ捕食する為に、おしりを発光させつつ虫を絡めとるための粘液を垂らします。幼虫の期間は半年~1年間ほどで、成虫になると捕食する為の機関を持たないため交尾・産卵をして一生を終えます。
ガイドの方によると、幼虫の際は共食いをしてしまうそうです。また、メスの成虫は一度の産卵で120~130個の卵を産み付け、それらは約20日後に孵化します。
土ボタルが見られるオススメツアー
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タンボリンマウンテン・グローワーム洞窟
こちらは土ボタルを養殖しているため、季節や時間に左右されずに安定して土ボタルによる絶景を見ることができます。営業時間は10:00-16:00までとなっており、ツアー料金は一人12豪ドル(学生は9豪ドル)です。また、道路はかなり舗装されているため、ツアーに際し特別な服装をする必要はありません。
さらに、この地域はワイナリーで有名ですので、ついでの観光がとっても楽しいです。洞窟自体レストランとワイナリーの敷地内にありますので、土ボタルのツアーに参加するだけで終わらないのがここの魅力です。
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スプリングブルック国立公園ナチュラルブリッジ
ここはオーストラリアが織りなす大自然が、長い年月をかけて作り上げた自然の公園です。もちろん洞窟も人の手を加えずに作り出されており、夜になると天然の土ボタルが神秘的な風景を生み出します。
タンボリンマウンテンと違うところは、夜にならなければ土ボタルが観測できないところです。しかし、スプリングブルック国立公園は世界遺産にも登録される程の素晴らしい価値がある場所です。土ボタルの観測だけでなく、数億年前から生息している動物や植物が見られる雄大な景色も必見です。こちらに向かう際は、自然の中を歩くため、靴や防寒具などを持っていくことをお勧めします。
土ボタルを観察する際の注意点

土ボタルは光や音に敏感です。その為、観察する際はできるだけ静かにして下さい。さらに、いかなる理由があろうともフラッシュ撮影は厳禁です。土ボタルに幻想的な風景を見せてもらう際は、儚い命を思いやる気持ちを必ずもちましょう。
また、現地ではガイドの方の指示に必ず従うようにして下さい。トラブルの元になります。
日本ではまず見ることができない景色、オーストラリアやニュージーランドで観光する際に見てみてはいかがでしょうか。忘れられない思い出になること間違い無しです。
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